店に入ると、街の喧騒がすっと背後に退いていく。
カウンターの向こうでは、バリスタの手が迷いなく動き、湯気とともに時間が立ち上がる。カップが置かれる音、ラテを注ぐ一瞬の間、何気なく交わされる視線。そのすべてが主張しすぎることなく、確かにここに流れている。
光は同じ形で留まらない。朝、昼、夕方でテーブルの表情は変わり、訪れる人の気配も少しずつ重なっていく。特別な出来事は起こらない。それでも、考えごとをする横顔や、コーヒーを待つ沈黙の中に、物語の断片が静かに宿っている。ここで写真を撮るのは、ドラマを切り取るためじゃない。
過ぎ去ってしまえば忘れてしまうような、名もない時間を確かに留めるためだ。
STREAMER COFFEE COMPANYは、日常の余白にそっと光を当て、写真が呼吸できる場所だと感じている。
Photography by Naoki Omata





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